長期平準定期保険の経理処理

企業経営者向けに開発された長期平準定期保険は、定期保険の中でも保険期間が99歳とか100歳と長く保障が続く定期保険のことを指します。

厳密には、

保険期間満了時の年齢が70歳を超え、かつ(保険加入年齢+保険期間×2)>105

となる条件を満たしたものが長期平準定期保険となります。

一般的な契約形態として、契約者及び死亡保険金の受取を法人とし、代表取締役や取締役といった役員被保険者とします。死亡保険金に上限がありますが、従業員が被保険者として加入することも可能です。

長期平準定期保険を法人契約した場合の支払保険料の会計処理ですが、契約時の保険料支払期間をどうのように設定するか?によって異なってきます。ここでは一般的な契約方法えある保険期間と保険料支払期間とが同じ場合(全期払と言います)を例に解説すると、以下のような仕訳になります。

保険料払込期間:全期払

この契約形態の場合、保険期間の前半6/10の期間は、支払保険料の半分を「前払保険料」として資産計上し、残り半分を支払保険料として経費処理します。保険期間の残り4/10の期間は、保険料の全額を支払保険料と経費処理し、積み立てられた前払保険料をのこり4/10の期間で均等に取り崩していきます。

○保険期間の当初6/10の期間の仕訳

支払保険料の1/2が損金算入(支払保険料)、残り1/2が資産計上(前払保険料)となります。

例)年払保険料200万円の場合

借方 貸方
支払保険料 1,000,000円
前払保険料 1,000,000円
現金・預金 2,000,000円

○保険期間の残り4/10の期間の仕訳

①保険料の全額が損金算入(支払保険料)となります。
②当初6/10の期間の資産計上額を残り4/10の期間で按分し、毎年損金に算入します。

例)年払保険料200万円の場合

借方 貸方
支払保険料 3,500,000円

現金・預金 2,000,000円
前払保険料 1,500,000円

○解約時(解約返戻金受取時)の仕訳

解約時点での解約返戻金から保険積立金として資産計上している額(前払保険料)を 差し引いた額を雑収入(もしくは雑損失)として計上します。

例)年払保険料200万円、15年で解約、解約返戻金は2,700万円の場合

借方 貸方
現金・預金 27,000,000円

雑収入   12,000,000円
前払保険料 15,000,000円

○死亡保険金受取時の仕訳

死亡保険金から保険積立金として資産計上している額(前払保険料)を差し引いた額を雑収入として計上します。

例)年払保険料200万円、10年後に死亡、保険金は8,000万円の場合

借方 貸方
現金・預金 80,000,000円

雑収入   70,000,000円
前払保険料 10,000,000円

保険料払込期間:短期払

また、保険期間よりも保険料支払期間を短く設定することが可能です。これを『短期払』と言います。

もう少し具体的に言うと、長期平準定期保険はその名の通り保険期間が長期(99歳や100歳)なのですが、保険料支払期間を60歳まで、または65歳までといったように短期間で保険料支払いを終わらせられるよう加入時に設定することが可能です。

例)40歳、男性経営者、死亡保障1億円、年払保険料200万円
全期払、短期払グラフ

全期払い(保険期間=保険料支払期間)のケースと短期払いのケースを比較した場合、死亡保障額が同じであれば、全期払いよりも短期払いの方が年間で支払う保険料は高くなりますが、途中解約した場合の解約返戻金が初年度より多く、その後も解約返戻率は伸びていきます。

例えば、同じ保険会社で全期払いと短期払いで保険料と解約返戻金(率)を比較すると以下のようになり、短期払いのケースは、支払保険料よりも解約返戻金が上回ることもあります。

また、この長期平準定期保険の短期払いに加入したケースの会計処理を解説すると、以下のような仕訳になります。

○保険期間の当初6/10の期間の仕訳(40歳〜74歳まで)

支払保険料の約21%が損金算入(支払保険料)、残り79%が資産計上(前払保険料)となります。
計算式ですが、40歳の方が99歳まで(59年間)保険料を支払う全期払いの場合は支払保険料の50%が損金計上できます。

65歳までの保険料支払い(25年間)のケースは、

59年間:50%=25年間:X

という計算式により損金計上額が計算されます。よって、X=21 となります。

例)年払保険料315万円の場合

借方 貸方
支払保険料  666,000円
前払保険料 2,484,000円
現金・預金 3,150,000円

○保険期間の残り4/10の期間の仕訳(75歳〜99歳まで)

当初6/10の期間の資産計上額を残り4/10の期間で按分し、毎年損金に算入します。

64歳までの保険積立金の計算は、
前払保険料2,484,000×25年(40歳~64歳)=62,100,000円

65歳以降74歳までの損金の計算式は、
支払保険料666,000×10年(65歳~74歳まで)=6,660,000円

よって75歳時点での保険積立金は、
62,100,000-6,660,000=55,440,000円となります。

この金額を24年(75歳から99歳)で割ることで4/10の期間の損金計上額が計算できます。
55,440,000÷24=2,310,000円

例)年払保険料315万円の場合

借方 貸方
支払保険料 2,310,000円 前払保険料 2,310,000円

○解約時(解約返戻金受取時)の仕訳

解約時点での解約返戻金から保険積立金として資産計上している額(前払保険料)を 差し引いた額を雑収入(もしくは雑損失)として計上します。

例)年払保険料315万円、25年で解約、解約返戻金は8,170万円の場合

借方 貸方
現金・預金 81,700,000円 雑収入   19,600,000円
前払保険料 62,100,000円

○死亡保険金受取時の仕訳

死亡保険金から保険積立金として資産計上している額(前払保険料)を差し引いた額を雑収入として計上します。

例)年払保険料315万円、10年後に死亡、保険金は1億円の場合

借方 貸方
現金・預金 100,000,000円 雑収入   75,160,000円
前払保険料 24,840,000円
※将来、税制などが改正された場合、異なった経理処理になることがあります。
実際の税務の取り扱いにつきましては税理士などの専門家にご相談ください。

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